言ってくれればどくのに

  スーパーに行ったんですよ。
それで惣菜コーナーに向かったんです。豪鬼の阿修羅閃空みたいに手足を動かさないで高速移動しながら。
そこではトレイに乗った惣菜が並んでるわけですよ。
コロッケとかメンチとかヒレカツとかハンブラビ揚げたやつとか。最後のは嘘だけど。
まあそういった惣菜をトングで取るわけですよ。バルタン星人のハサミみたいなやつ。両手に持ってフォフォフォフォってやると誰しもが大爆笑でTHE Wなら決勝まで行けるやつ。

そのトングを使って惣菜を袋とかに入れるわけです。
で、この店ではその惣菜が並んでる棚の下の部分に袋とかゴムとかが置いてあるスペースがあるんですわ。なんかあの、ラーメン屋とかのカウンター席で荷物を入れておける机の下の部分みたいな感じの所ですわ。引き出しの引き出さないやつみたいな。

それでですよ、私がコロッケを取っていたのですが丁度立ち位置が袋の入ってるスペースの前に立ってたんですよね。
そうしたら白髪のおじさんとおじいさんの狭間みたいな人類がぐいっと、その惣菜入れ袋を取りに来たんですよ。
その時にそのおじさん?おじいさん?おじじ?が私の股間をちょい押ししてるわけですよ!いや、当たっちゃっただけだと思いますよ?それでもさ、言ってくれればいいじゃないですか。
「すいません」とか「ちょっといいですか」とか言ってくれればいいじゃないですか。そうしたら私も「あっ、すいません」とか「ソーリーごめん(大尊伸光リスペクト)」とか言ってどくじゃないですか。
なんなら「ぁっすーっ」という声にならない声でも気づいてちょっとどきますよ。

たしかに私の立っていた位置が惣菜入れ袋の前でしたけど、その位置じゃないとコロッケが取れないのだから仕方ないじゃない?
あれよ?私がバイオハザード CODE:Veronicaに出てくるバンダースナッチみたいに腕が伸ばせれば遠くからでもコロッケが取れたかもしれないよ?
でも私はバンダースナッチじゃないんすよ。ただの一般人なんですよ。パンピーですっちなんですよ。いや下手くそかよ!無理に韻踏もうとするなよ!

そもそもコロッケを取ってる時間なんてほんの少しですよ。ちょっと待つっていう選択肢もあったはずですよ。
それなのに強行突破を試みた結果、私の股間をちょい触りしてるんですよ。
お互い嫌な気分になるじゃないですか。
白髪のおじじがコロッケ取りおじさんの股間を一撫でしてるって、今月でもトップクラスのヘルピクチャーじゃないですか。

そういうわけですので、何かあった時は一声かける。そうすることで回避できる地獄もあるよっていうお話でした。
自戒の念も込めて書きましたとさ。